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「があっ……!!」
鈍い着地音とともに地へ降り立つ。相当に足が痺れたが、俺が投下された高度を考えれば問題はないってかよく生き残った俺! えらいぞ!
「くっはーーーーっっ!!」
長い緊張と死の恐怖から開放されて一息。捨てられ、シカトされた悲しみを飲み込みながら、空で怪獣合戦しているであろうあの規格外三人組を探す。
「あれ?」
予想に反して空には誰もいない。あの怒り狂ういかづちもなければそれを飲み込む闇の結晶もありはしない。
「あいつらどこへ行ったんだ?」
まさか俺が必死こいてた間にあいつら別の所に戦火を移しちゃったのか? あれか、完全に俺の存在を忘れ……、
「………………」
そんなことを考えて本格的な哀愁に包まれそうになった俺の目の前、同じグランドレベルに何時の間にかあの三人が立っていた。
あれ、妙に静かだな? 仲直り?
「……ご、ごめんなさぁいぃ……!」
「あぁ?」
俺の返答にひぃっと小さく悲鳴を上げて泣きじゃくるコウリア。というか、いきなりの謝罪の時から泣いている、はてさて一体どうしたことか?
「駄目よ、こうちゃん。泣いてたら、ルシファさんに許してもらえないわよ……?」
「うん、うん。でもぉっ……」
厳しい表情ながら優しげな言葉でコウリアに言い聞かすユリエラ。その言葉に再び俺の顔を見上げ、そしてさらに泣き出す。
はっきりいって意味わかんない。俺が必死になってる間に何があったんだよ、おい?
「ふははははっっ……! よいぞっ、御主らは中々に愉快じゃっ!」
妾の発する魔術を様々な方法で崩しにかかる睡魔族の小娘共。この世界に妾とこの様に打ち合える者がおるとはおもわなんだ。
この前の戦とも違うまともな力比べは……
「血が滾るというものっ!!」
「また、増えた~!?」
「あらあら、私はこんなものではありませんよ?」
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