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「な、なんとこの者達は主の友人とな……?」
非常に分かりやすく驚いてくれたサテナ。
多分、そのわざとらしさはさっきまでの出来事が尾をひいてるんだろう……が、未だにその理由が分からない。うん、全く。
「おう、昔ちょっとな?」
そう、ちょっと殺されかけただけ。
「そうか……だから夜の主はあんなに……」
……中々にアノ事に関して根に持ってる御様子のサテナさん。
「……ん?」
不意に服の袖を引っ張られ、そちらの方へ視線を移すとそこには不安そうなコウリアの姿。
「……怒って、ない?」
うるりと今にも泣き出しそうな顔でそうきいてくる。
さっきから何度も怒っちゃいないって言ってるのにも関わらず、時間をおいてはそう尋ねて来る。
っていうか、こいつらに会ってからまだ一回も怒ったりしてないはずなんだけど?
「ああ。……あんま信じてくれないと、怒るより前に拗ねちまうぞ?」
そう言って笑ってやると、今度はちゃんと納得してくれたのか、俺の腕に絡み付いてくるコウリア。
「ウヘヘ……」
「あの、ルシファさん?」
「どうした?」
コウリアの事を見ながら少し羨ましそうに俺に話しかけてきたのはユリエラ。
一応美味しそうな発言は止めてもらった。だって怖いもんね。
で、これからはルシファでいいって言ったら今度は『下の名前で呼び捨てだなんてっ♪』って暴走し始めたりしたので、今はさん付け。
「この方は一体どちら様なのでしょうか? 先程戦った時から感じていたのですが、本当に凄い魔力ですよ?」
「何を言う。そなたこそ魔力を制限しながら戦っていたではないか、のう?」
サテナにそう言われて、苦笑いを返すユリエラ。
これでお互い本気じゃないとスルトカオス。
「と、言うかの?、如何に短い時のみの主従といえども、ここまで近付いて気付かぬのでは中々に情けなくなってくるものだ……」
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