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「おい!!こっちくんなよー!!感染する~ッ」
オエッと男子が吐く真似をする。
周りの男子は笑っている。
「そういや俺朝見たぜ~。黒澤と優子がぶつかってたところ!」
私は登校途中の道の角を曲がるときに、同じクラスの女子、優子にぶつかったのだった。
優子はビクッと顔をあげた。
「うっわぁマジかよ~汚ねぇ~…。今日は優子が第一感染者だな」
「ちょっとやめてよ!あんな奴の病原菌なんて私持ってないもん!」
男子達は囃し立てる。
「おい皆優子に近づくな~!!菌がうつるぞ~!」
いつもこんな感じだ。毎日私は病原菌。
いつから菌になったかは覚えていない。
確かなことは、私は菌。菌は、私。これだけだった。
男子が後ろから輪ゴムを当ててくる。
その輪ゴムも感染した。
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