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子供の頃、外で遊ぶ時に母がよく言った
「暗くなったら帰っておいで」
とてもアバウトだ。
アタシって素直で、人の言う事をそのまま受け止める子供だったのよ。
だから、いつも暗くなってから帰ってたの。
友達(いつも遊ぶ近所の同級生2人)と、目の前にいるのがどっちの友達なのか判別できなくなるまで外で遊んでたんだ。
「ただいまー」
家に帰ると母が仁王立ち。
「今、何時だと思ってるの?」
知らん……。
「こんな遅くまで遊んできて! 暗くなったら帰ってきなさいっていつも言ってるでしょ!」
だから暗くなったから……
アタシが言い終わらないうちに
「バカ」だの、
「アホ」だの、
「こんな子に育てた覚えはない!」だの言う。
言われた通りにしてるだけですが……。
「今度から5時半までに
帰ってらっしゃい!」
そう言われたものの、時計を持ってないからどうしようもない。
一つあった。
目覚まし時計。
これを持っていけば、もう叱られる事は無い。
翌日、学校から帰りカバンを放り投げると目覚まし時計を持って遊びに行った。
これを5時20分にセットするんだ。そうすれば母の言う5時半には家に着く。
「うめちゃん頭いいー」
友達に言われたが、自分でもそう思ってたから(笑)
ところがさ、遊ぶのに目覚まし時計はハッキリ言って邪魔なんだよ。
持ってると必ずどちらかの手がふさがる。
空き地の草っぱらで花を摘んで遊んでいる時に、時計が邪魔で、ちょっとの間だけと思い放置したのね。
「あ! こっちに咲いてる花なんだろー?」
「どれどれー」
目覚まし時計……ポツーン。
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