記憶のカケラ

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いつも一緒にいた幼なじみ…。嫌いになったのはいつからだろう・・? 「・・瀬、一ノ瀬!!」 「・・っわ!!なに…?」 「なに?じゃねえよ。昨日のさぼりの理由は何だ?」 「え・・あ・・」 (そうだった・・あたし・・。) 昨日、友達に押し付けて帰ったんだ・・。 そう思い出して一ノ瀬 雛子は目の前の人物を見た。 「亜美こなかった・・?頼んだんだけど。」 「来たけど、本来はお前が来なきゃいけないんだ。」 そう言って目の前の人物・・椎名 悠介は憮然とした。その態度にムッときたのか雛子は語気を強めて 「うるさい!!大体なんであんたと一緒なのよ!!」 そう、いつの間にか図書委員にされていたのだ。 「仕方ないだろ・・。そのときいなかったんだし。それでもさぼる理由にはならないはずだけど?」 いちいち癪に触るなぁ・・。そう思った雛子は言い放った。 「あたしがさぼるのはあんたが大嫌いだからだよ!!」 (なんて子供っぽい理由・・。) そう思ったが言ってしまったものは仕方がない。 「…あっそう。でも、仕事はちゃんとしろよ。昨日さぼった罰で今日もだから。」 そう言って悠介は立ち上がった。 「言われなくてもするわよ!!!」 雛子は怒って図書室から出て行った。 ー昼休み。その話を聞いていた桜木 亜美は呆れていた。 「またやったの?」 「だって・・つい・・。」 雛子は口ごもった。 「ねぇ・・ヒナと椎名君って幼なじみなんだよね?」 「・・うん。嫌なことに。」 最悪なことに椎名君とは家が近所同士で生まれたときからの幼なじみだ。 「ずっと聞きたかったんだけど・・なんで椎名君のことが嫌いなの?」 「なんでって・・それは・・」 (あれ・・?なんでだろう・・) 雛子は必死で思い出そうとした。その時、 《・・めん・・ちゃん・・れて。》 (え・・なに・・?) 心当たりのない記憶に行き当たった。 「・・ナ・・ヒナ!!」 「あ・・ごめん、なに・・?」 「だーかーらー!なんで椎名君が嫌いかってこと!」 あぁ…そうだった・・。 「なんでかなぁ・・。古すぎて忘れちゃった・・。」 「…可哀想。椎名君」 「仕方ないでしょ。」 亜美は拍子抜けしたように言った。それにしても・・ (あの記憶はいつのだろう・・?) そう思い雛子は必死に思い出そうとした。 そしてその無謀な作業は5,6限中続くのだった・・。
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