70人が本棚に入れています
本棚に追加
「も~どうしたの??」
そう尋ねる。
「…自制が効かない…。」
「え…」
雛子はバッと起き上がった。
「ちょっ…大丈夫なのかよ…」
「ゴメン、肩貸して。」
そう言って肩にもたれた。
「…自制が効かないって…?」
雛子が話を促した。
「…最近、血を吸うと意識が飛びそうになる…。…血の香りに酔いそうに…。」
苦しげに悠介はそう話した。
「…それは誰のでも?他の人とかの血を吸っても?」
「バカ言うな。雛子の血しか吸ってないわ。…誰かがケガしたとするだろ?」
「うん。…血流すときもあるよね。」
「…その匂いに酔いそうになる。…嫌だけど。」
「………。悠介…今も足りないって思ってる?もう無理だけど…」
「…実は。まだほしい…。雛子…怖いよ。」
「悠介…。」
一通り話を聞いてある言葉が浮かんだ。
『悠介は血に飢えている…。』
未和の言った言葉。
あの言葉が現実味を帯びた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!