老人会

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30畳の和室 そこに15名の老人が集まっていた 家主を上座に7名ずつ向かい合わせであぐらをかきながら世間話をしている 町内会の集まりにも見えるが異質な雰囲気を醸し出しているのはきっと、家主の後ろに『七ツ星愛好会』という看板が掛けられているからであろう 綺麗に毛髪を全て失った家主「長 湖粘理(ちょう こねり)」はただ静かに座り時折 長く伸びたあごひげの先をつまむ様に触っている …そろそろ始めるか そう思ったと同時に咳払いをしたが若干、タンが喉に引っ掛かった 参加者は皆、咳払いの意味を察知し会話を止める 長の左側には孫の愛子がお盆を持って立ち、開始を待っている 「…皆さん よろしいですかな…」 しん、と静まり返る 「只今より、『七ツ星愛好会』定例会を始めます!!」 参加者の目つきがギラリと光った
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