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しかもどれもこれもが全て自分に関係している。
一日にこれだけの日常変化を遂げたのは珍しい部類だと言い切れる。いや、かなりの希少価値があるといえる。
「でも智姉って異能者なのか?それにしちゃ門崎とは違う感じがするんだけどな。」
バフッと布団に身を預けながら思う。出来れば力の覚醒はしていて欲しくない。
だが考えれば男に襲われた時に智姉は気付くのがかなり遅かった。それを踏まえれば弱い霊感者である確率のが高い。
「あぁなんで身近な人がこう変化してるんだ。門崎の動きにはめちゃめちゃな凄さがあったし、直毅の格闘技の右にでる者はいないし……。って!?!?」
槹坂直毅。
あいつの飛躍的にずば抜けた格闘センスはもしかすると鬼の力ではなかろうか。
それを考えれば納得がいく。
いや、考え過ぎか。
いつもへらへらしてる直毅に限ってそんなたいそうな力持ってるわけない。
天性の類だと自分に言い聞かせる。そうでもしなければやる瀬ない気分であったからだ。
「結局謎ばかりが増えた一日だったな。とりあえず寝るか。」
一人で考えても決定的証拠がない今、一人相撲しても意味がない。
悩んだところで変化した日常が元通りになるはずもないし。
カチッと電気を消し瞼を閉ざすと、早々に意識を失った。
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