ｺｰﾙﾄﾞ･ﾌﾞﾗｯﾄﾞ

Ｇhoｓt

9月26日
PM11:25

私は帰り道の車の中で今日の現場とキーダーから聞いた通報時の詳細について反芻してみた。

霧がかった暗い夜道を一人帰る淋しさを紛らわす為、ラジオは欠かせない。

私は少し都会から離れた場所に住んでいる。
都会で疲れた体を癒す為に家を買ったので、郊外を選択したのは当然の事だった。
今日のリクエスト、私の好きなQueenの「SOMEBODY TO Love」に少し元気付けられたようだ。

しかし、なかなか難解な事件になりそうだ。
キーダーの話によると、あの惨劇を発見した時にはもぬけの殻だったようだ。

そもそもあの屋敷の存在が見つかったのは偶然の事らしい。

大学生が、あの湖の周辺をドライブをしている内に道に迷い、そこで犬に襲われ怪我を負ったそうだ。

その犬には首輪がついていたらしく、翌日地元の警官が唯一あの湖にある屋敷に行った事が発見に繋がったらしい。

その警官が最初に行った時に恐らく犯人は逃げてしまったのだろう。

そしてもうひとつ。
鑑識が驚いていた事に屋敷の中にはリベルトと女性の指紋しか検出されなかったらしい。

ヤマディーノのも犯人はゴーストだと半ば、真剣な顔つきで言っていた。