情報屋

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『大丈夫だ。お前をパクリに来たわけじゃない。少し調べてほしい事があってな。』 俺は、今日の現場写真と資料の入った茶封筒をポルノ写真集やら、訳のわからない宗教紙で散らかり放題のデスクの前にドンッと置いた。 『デカいヤマかい?』少し嬉しそうに茶封筒を開ける川崎。 『あぁ、かなりデカいな。暫くの間はマスコミにも発表出来ない。まぁ見たらわかる。後、マリファナはヤメとけ。』 川崎の吸っていた煙草を口から無理矢理盗って投げ捨てた。 川崎は怪訝そうな素振りをみせたが、俺と目があうとそそくさと写真を見始めた。 『……ヮーオ、coolだぜ…。これ、特撮じゃないよな?いい趣味してやがるぜ。コイツ。』 川崎は写真の残酷さに笑みを浮かべた。 『そんな遺体が今日だけで約34体発見された。犯人の屋敷でな。庭の墓にはもっと埋まっているだろうな』 俺は、クッションの裂けた汚いソファにどかっと腰掛けた。 『犯人はきっとジェイソンだぜ。』と川崎は新しいマリファナに火を着ける。 『ふぅ。俺もそう思いたいよ。』思わずため息をついてしまった。 また眠れない夜が続きそうだ………。
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