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ターツミは鉄製のベッドに横たわる被害者にすがりつくように倒れ込んでいた。
さっきまで銃を振り回していた男とは別人のように。
頭の中で膨大な量の考えと思いと記憶が交錯する。
一歩後ろではマッチョとニールが悲痛な涙を浮かべている。
ヤマディーノは安置所のスタッフを外に出していた。
殺人事件の被害者の遺体という関係上、自分は死体から目を放す訳にはいかないが、せめてスタッフだけでも外に出した。
『ザネッティーか……』
叫び続けていたターツミが押し殺すように呟いた。
マッチョがハッとする。
『今すぐに全支部に伝えろ…………戦争だ。』
冷たく響く声
『マッチョ……武器を揃えろ。チャイナタウンのラウの店に連絡をとれ』
ヤマディーノもニールもただ見守るしかなかった。
『迷惑かけたな。レベッカは後で部下が引き取にくる』
もはやその瞳には復讐の色しかうつらなかった。
ターツミは静かに立上がり安置所を後にする。
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