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ガツッと骨を砕き切る感触がした。彼は「ぐっ」と小さくうめいた。
薔薇は剣を引き抜く。彼の手の甲からは血が溢れていた。
刺された兵士は声を殺して血の溢れる手を抑える。震えていた。
他の兵士は地面に放り投げた銃を薔薇にばれないようこっそりと掴もうとする。
薔薇は彼が取ろうとした銃を蹴飛ばし、彼らに銃を向ける。
彼らは息をあらげるだけで、押し黙っていた。
声をしてはいけないと、恐怖心が言いきかせているようだった。
「私たち、戦争ごっこにかかわる気はない。関係もないの。だからほっといてくれない?」
薔薇は感情も無くそう言うと、兵士たちの足を撃った。
パンと言う音が響き、血が公園の水飲みようの蛇口から水が飛び出すように吹き出した。
「ぎゃー」と腹の底から出したような叫び声を上げ、自分の足を抱えこみながら転がり回る。
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