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彼女は彼らに銃を向けたまま、のたうち回る姿を見ていた。
そこにユウリがやって来て「じゃ、ちょいと頂戴」と言って彼らのポケットを漁り始めた。
銃を向けられているので、彼らは抵抗しない。痛みでそれすらも忘れているだけかもしれない。
どちらにせよユウリには好都合だった。彼らから弾丸や手榴弾を奪い、汚れていない兵士を選び、彼から軍事用ジャケットとベストを奪った。
明らかに自分の背丈に合っていないジャケットとベストを着て、ユウリは嬉しそうにする。
「ね、ね、似合うかな」
ユウリは薔薇に訊く。
「大きすぎて、ちょっとぶかぶかじゃないかな」
薔薇はやんわりと指摘する。
「いいんだよ、袖は捲るから」彼はそう言って、かわいらしく笑った。
薔薇は先ほど撃たれた額を撫でた。
「これで、私は18回死んだことになる」
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