9人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?もうそんなになるの」
「変な感じ」
薔薇はそう言ってボルトを操作する。ガチャンと銃が鳴った。
兵士たちは顔を強張らせて薔薇を見る。痛みと死への恐怖で涙を滲ませていた。
「殺すの?」
ユウリの質問が彼らの恐怖心を煽る。
無邪気な少年の言う言葉ではなかった。でも、この時代はそういう時代だ。
小学生でさえも銃を持ち戦場に立たされる。小学生も、中学生も、高校生も、だ。
その中でもユウリは異常だった。冷静沈着で、激しい感情は持たない。人の感情を語る人間が言うならこう言うだろう。異常だ。
薔薇が口を開いた。「死ぬって、変。私には分からない。
私はもう18回も死んでるのにしなない。18回も死んでるのに、私が死ぬ日は決まっている。
絶対変」
「だって、君は普通じゃないじゃん。ってことは、つまり、変なんだよ。絶対変」
「あなたも普通じゃないでしょ。ということは、君も変?」
「うん、僕も変だ」
真っ白な薔薇は首を傾げた。
「私は特してるんだ。もう死んでるはずなのに、決められた日までは生きられる」
最初のコメントを投稿しよう!