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「考えること、結局出来なかった」
「ふーん」
「でも」
「何?」
「生きてることは意味があった。」
「君はもうじき死ぬよ」少年はもう一度言った。
遠慮はなく、感情的になることもなかった。
「死ぬね」彼女は穏やかに言った。
「戦場で散らないだけよかった」
「どうして?」
「無意味だがら」彼女はきっぱりと言う。
「僕は君が死ぬまで君を見届けるよ」
「どうして?」今度は少女が訊く。
「今君が生きている証を、忘れないように」
少女は首を曲げてもう一度訊く。
「どうして」
「僕がそうしたいから」
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