9人が本棚に入れています
本棚に追加
薔薇はそうみたいだね、と応えた。
ユウリは薔薇から距離を取り草の伸びた場所に身を隠し、銃を構えた。
薔薇は向かってくる兵士たちを待つ。
兵士たちはあっという間に薔薇を取り囲んで、彼女に銃を向けた。
不思議そうな顔で兵士たちは白い少女を見る。「武器を降ろせ」と兵士たちは彼女に言った。場の空気を読んでか、彼らは薔薇の容姿については質問はしなかった。
「あなたたちが武器を降ろすのなら、おろします」
「自分の立場をわかって言っているのか」兵士は嘲笑する。
それでも薔薇は表情を変えない。
「仲間はどこだ」兵士は脅すように銃をガチャリと鳴らす。
「いるけど、私よりも年下ですよ。子供相手に、銃を向けるのですか」
「うるさい。銃を降ろすんだ」
「いやです」薔薇がそう言うと、兵士は薔薇の額に銃口を向けた。薔薇は冷静な表情のままそれを見る。
薔薇が冷静でいたせいか、彼らは少し空気を重たくした。
最初のコメントを投稿しよう!