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銃弾を身体の一部に浴びた兵士は被弾した部位を押さえながら叫んだ。
ぎゃーぎゃー喚きながらのたうち回る兵士を草影から見ていたユウリは「うるさいな」と一言言った。
地面には赤茶色の血が染みていた。
白い少女の服も彼らの血で斑に染まっている。
兵士たちが困惑している中、地に伏せている彼らの横で額を撃たれたはずの薔薇が起き上がった。
兵士たちは何が起きているのか分からずに、いつ放たれるかも分からない銃弾に怯えながら、顔を一層青くした。
薔薇は起き上がり、純白だったはずの、今は血に濡れた服を見下ろす。
兵士たちは怯えながら少女を見た。
彼らはには死んだはずの人間が起き上がるという概念はない。傷口が消えるなんていう常識を外れたことを知るわけもない。
「知っている?アリスの世界で白い薔薇は赤く色付けされるんだよ」
薔薇はそう言うと、彼女を撃った兵士の手を銃剣で刺した。
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