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《オレな、保育士になりたいねん》
そんなことを横山が言い出した日には、本当に口から心臓が出るんじゃないか、ってくらいに驚いた。
しかし、横山は昔っから子供が好きだった。横山自身、子供みたいな性格だったため、正直ピッタリな夢だと思った。
宣言通り、横山は保育士になり村上は編集部に勤めた。ふたりの職が決まったことに、渋谷は笑顔で祝っていたが、内心は不安ばかり。
――ああ、もう昔とは違う。
こいつらはちゃんと“大人”になってるんや。
長い長い暗闇のトンネルに、ひとり置いてけぼり。
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