半透明な夢を描く

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「残念ですが、今回の話は…」 この台詞を言ったのはもう何回目だろうか。目の前の男は残念そうな顔をして、古びたソファーを立ち上がった。 「……はあーあ、」 男が出て行ったあと、オレはひとり深くため息をつく。さきほどまで、オレはアーティストとしてのデビューの話をされていた。 自分で言うのもなんだが、オレの声には定評がある。オレも歌うことは大好きだし、いつかデビューもしたいと願っている。
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