半透明な夢を描く

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いつもの場所、それだけで伝わるオレ達はそれなりに長年一緒にいたわけで。いいことも悪いことも、全部知っているような感じさえする。 * * 「おお!すばる来た来た!」 「遅れてごめんちゃい」 「ひとのこと言われへんぐらいキモいぞ、おまえ」 いつもの場所とは、オレ達の行きつけの居酒屋。もちろんオレ達はとっくに成人している。 「またスタジオおったん?」 枝豆をつまみながら、オレに尋ねてくるのは村上信五。愛称はヒナ(顔は愛称に似合わず、ごつい顔である)。
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