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季節を巡り、暖色にたどり着いた樹木。
放課後故の夕日。
橙に染められた世界の中から、渇いた木の弾く音が反響した。
普段の生活では、決して聞く音ではない。
しかし、経験者なら瞬時に反応してしまう、不思議な音。
音源は校舎の一角、アスファルトで整備されフェンスに囲まれた公園の様なところからだ。
知っている人は、間違いなくこう言う。
パーク、と。
広さは隣にあるテニスコートと変わらない。
違うところと言えば、交通整備の時に使われる赤いコーンや、矢印の描かれた鉄板が置かれている事だろう。
もちろんここは工事中などではない。
そして、それの邪魔となる落ち葉は綺麗に掃かれ、パークの隅で燃やされている。
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