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「てかお前そのネタやる為だけにその折り畳み傘持ってきたのかよ……」
マサキは納得はしたが、機嫌は良くはならなかったらしい
「随分な物言いだなぁ…俺はマサキの為を思って持ってきたんだよ!」
亮の顔は怒りではなく、喜びといった表情だった
彼はこういう絡みが好きなのだ
「アホ。ここは俺んち何だから傘ぐらいある………」
そんな喜び顔の亮にマサキは真面目に答えてやった
すると亮が本当に?と返してきた
「ん?あれ…昨日までは確かにあったのにな…………」
その言葉を受けて傘置き場を見に行くマサキを、亮が頬を緩めながらみていた。
「俺はマサキのことなら何でも知ってるんだよ♪」
亮が変に威張るとマサキは逆に気持ち悪いと返してやった。
「そんじゃとりあえずマサキの彼女のとこに行きますか!」
そういうと亮はマサキに自転車の後ろに乗るよう指示した
5、6分走ると小さな喫茶店が見えてきた
「おい亮!今日アイツ休みなんじゃないのか?」
マサキは亮の後ろで叫んでいた
小さい声だと車の走る音に欠き消されてしまうからだろう。
「大丈夫だって!ちゃんと調べてあるんだから…………」
そう言って威張る亮にマサキは横腹を指で突いてやった
一瞬車体がバランスを崩しかけたが、なんとか持ちこたえた。亮は一言ごめんと謝った
「コーヒー代奢れ…………」
亮は静かに頷いた。
二人は自転車から降りて喫茶店の扉に向かった
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