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近所にあるゲーセンに着いた二人は、適当にゲーム機を選び遊び始めた。
「うわぁ腕鈍ってるな………」
亮がやっているゲームは鉄拳5だった。
鈍ってると言うのは亮の感覚だけの話で、他の人が見ればそうは思えない…最高難易度のCPUを余裕で倒しているのだから
「仕方ねぇだろ…試験中だったんだから」
マサキが後ろから言葉を返していた。
すぐに亮が言葉を返そうとした瞬間、乱入者が現れた!
「久々の対人戦♪でもこれで勝てるかねぇ…………」
「相手次第じゃ負けはねぇだろ」
亮の使っているキャラはパンダだった。
使い手次第で変わるゲームで特別弱いキャラはいない
だが亮にとってはこれはただの遊びキャラに過ぎなかった
「ファランか………スピードで翻弄されなきゃいいがな」
マサキがそういうと亮はまあなんとかなると返した
試合が始まると亮は集中して相手キャラを見ている
敵はかなり慣れた手つきで間合いを詰めてくる
「こいつ………」
亮はその言葉を最後に、喋らなくなる
徐々に間合いを詰めてくる!
鉄拳には一瞬で終わる必殺技などはなく純粋な格闘が勝負を決める
先に3勝した方が勝ちなのだが、この一戦だけで勝てないと亮は実感してしまった
「マジかよ………」
マサキが唖然としていた
画面には無傷のファランと倒れ込むパンダが見えた
残りの試合も全てノーダメで倒してしまった
「冗談だろ?いくらなんでもありえない!」
亮は愕然としている
彼はかなりのゲーマーで、鉄拳もかなり強いハズだ。
だが相手はそれ以上に強かった
「俺がやる」
マサキがそう言って席を代わるようにいった
今の鈍りきった亮では違うキャラを使っても勝つのは難しいからだ。
それは亮が一番分かっていた
「頼んだぜマサキ!」
マサキは返事をすると画面を向いたまま何も喋らなくなった
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