プロローグ

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ジュンのあしが すこしだけ わたしのほうに すすんでいった。 まけてはいけない。 これは オジサマがおしえてくれたこと。 わたしは すぐに もりのほうに からだをむけると ぜんそくりょくで はしっていった。 ジュンに つかまったら まけ。 つかまらなかったら かち。 だから わたしはもりにむかって はしった。 ちいさな こえだや めいろっていうものみたいにはえているきをよけて わたしは ひっしに はしった。 わたしは ちらりと ジュンが いるほうを むいた。 ジュンは まだ おいついてないみたい。 わたしは まえをむきなおして また ぜんそくりょくで はしりはじめた。 とおくとおくへ つかまらないように。 「……ははっ。 流石に早いな、もう見えなくなってる。 …………そのまま走り続けてくれナナ。」  
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