プロローグ

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さいしょに いたのは まっしろい せかい しろくて しろくて なにもなくて なにもすることがなくて わたしは ただ ひざをかかえて だまっていた。 しろいせかいの はじっこには 『かめら』って いわれるものが あって わたしが びょうきになったり してないか みるために つけているんだって オジさまが いってた。 しろいせかいは たまにひらいて むこうの せかいから ジュンが やってくる。 ジュンは なんでも しっていて わたしに たくさんの ことを おしえてくれた。 わたしが いるせかいより もっと ひろいせかいが あって もっと たくさんの ひとがいて みたこともないような ものや たべものや せかいが ひろがっているって みたこともない せかいに わたしは わくわく はんぶん こわさ はんぶんで きいていた。 ジュンは わたしに 「外の世界に興味あるかい?」 って きいてきたけど わたしは 『あるけど こわい。』 って いった。 そしたら ジュンは こまったような かおをして 「そうか…。」 って にがわらいしてた。 わたしは そんな いろいろなコトを おしえてくれる ジュンが すき。 ジュンと いっしょなら そとの せかいも こわくない ……かも。  
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