プロローグ

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ジュンのせかいは、わたしがいたせかいと にていて みぎと ひだりに ながくながく ひろがっていた。 『これが ジュンのせかい?』 「まだ建物の中だから変わり映えはしないかもね。」 たてもの ひとが あめ とか かぜを ふせぐために はいるところ? 「こっちだ。」 ジュンは ひだりの ほうに すこしすすんで わたしのほうを みていた。 そっちに いくの? ジュン なんだか いそいでる? ジュンは わたしのてを つかんで はやあるきに ひだりのほうへ すすんでいった。 『ジュン』 「何?」 『なにか あったの? わたしは あのせかいから でたら ダメなんでしょ?』 「……大丈夫だよ。」 ジュンは こわいかおをして まえを ずっとみていた。 ほんとうは ダメなんだよね? なにか あったんだよね? 「…そんなに心配しなくても良いよ。」 『…うん。』 うすぐらくて ながいみち どこまでも つづいていそうで どこまでも おなじけしきで。 わたしは どこにつれていかれるの? ジュンは なにを かんがえているの? ねぇ ジュン? どうしてそんなに あせをかいているの? どうしてそんなに こわいかおをしているの?   ……ジュン。  
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