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ガチャン…
玄関の鍵を開け、真っ暗な部屋の電気を付ける。
大学生にしてはいやに広いリビングを通りキッチンへコンビニで買った弁当やら、飲み物やらを冷蔵庫へ突っ込んだ。
そして、再びリビングに戻ると、ドサリとソファーに腰掛け息を着き
「疲れた…」
溜め息と共に零れた声は自分以外誰もいない部屋に溶けて消えた。
「………」
物音しない部屋にぽつりと、自分が一人なのを改めて感じさせられる。
「広すぎ何だよ、この家…」
俺、羽鳥 悠(ハトリ ユウ)は美大に通う2回生。
一昨年、実家を離れて大学に行くため上京し一人暮らしを始めた。
普通の上京した学生の大半は小さなアパートとかでバイトを掛け持ちしたりして、生活するが俺の家は特別だった。
俺の両親はどちらも大学教授で、父親が古典文学母親が考古学に携わっている。
その為、周りの家庭よりも少しだけウチは裕福であり、俺は今現在親の準備したちょっと豪華なマンションに暮らしている。
まぁ、少しばかり過保護な両親が嫌で今は自分でバイトしてマンションを変えようか思案中だけど…
思いの外、今日のバイトが忙しかったせいか体を重く感じる。
「…シャワーは明日の朝に入るか…」
もう寝よう。ソファーに沈む体を起き上がらせ立ち上がるが、
バタンッ
誰もいない筈の隣部屋から、大きな物音が聞こえた。
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