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ミカエル発動
深夜。
大統領邸は慌ただしく人が動いていた。
厳戒態勢の大統領邸を悠々と歩く黒いロングコートにスーツの男。
長い金髪は蜘蛛の糸のように細く、揺れる姿は惑わす妖精。
すらっと高い身長は男が2メートルあることをあまり感じさせない。そのため服が少し大きめに見えてしまう。
顔立ちも細く、しかし整った形。
男は大統領邸のほぼ中心、豪華な扉の部屋の前に立ち、
「あぁ…めんどい」
と呟いた。
『しっかりしろよ。久々のお呼び立てだぜ。』
声は男の耳元からした。
左耳にイヤホンをしているのだが、耳が長髪に隠れているため分からなくなっている。
「テロリストの相手なんて疲れるだけだ…頭使うの疲れるし、てかこんだけ警察いれば大丈夫だろ?」
『大丈夫じゃないから俺たちを呼んだんだろ?じゃなきゃ俺らなんか誰も呼ばねぇよ』
男はふぅっとため息をつき、顔をあげた。
「まぁやってやるさ。仕事だからな。お前は待機だ。」
『わかってるよ。長官殿。』
男は扉を叩いた。
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