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隼人とかなでは楽しく談笑しながら自分達の通う豪傑館高校に向かう。
豪傑館高校は武道や格闘関連の部活が盛んであり、中でもかなでの所属する剣道部は最強とまで謳われている。
「しかし、隼人殿。隼人殿は部活に参加していないのに、いつもすまないな」
「なんで?」
突然謝ってきたかなでに、隼人は首をかしげる。
「登校時間の事だ。拙者の朝練に合わせさせてしまって…。本来ならもっと寝ていたいだろう…?」
申し訳なさそうに告げるかなでに、隼人はこう言った。
「俺と一緒に登校するのは嫌か?」
と。
「な!?そんな事はない!!あるわけがない!!」
その隼人の言葉を、かなでは真っ赤になって否定する。
「今だって…その…。嬉しすぎて死にそうなくらいだ…」
「ならいいじゃないか。気にするなよ?」
モジモジと顔を赤くしているかなでの頭を、隼人は優しく撫でた。
「やはり隼人殿は優しいな…」
そう呟いて、かなでが隼人に寄り掛かろうとした、その時。
「悠久院かなで!!今日こそ倒すわ!!そして、隼人くんを返してもらう!!」
後ろから女の子の声がした。
「またか…」
折角のいい雰囲気だったのにと、頭を抱える隼人。
「お?おはよう、みつね殿♪」
かなではその女の子‐鷺条みつねににこやかに挨拶した。みつねは隼人に恋するクラスメイトであり、隼人をかなでから奪還しようといつも勝負を仕掛けてくる。
「『おはよう、みつね殿♪』ないわよ!!今日も私と勝負しなさい!!」
「うむ♪よいぞ♪」
そう言って、かなでは愛刀・羅刹を抜く。
一方のみつねの手には何処で入手したか分からないチェーンソーが。
「チェーンソーなんて何処で…」
「愛があれば何でも出来るんだよ、隼人くん♪さあ、行くわよ!!」
隼人の素朴な疑問に答えると、みつねはチェーンソーを唸らせながら地を蹴った。
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