俺と侍彼女

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「はあああっ!!」 かなでは羅刹を一振りする。 一閃の光が走り、キィィィィンッ、という乾いた金属音が鳴り響く。 「またつまらないものを斬ってしまった…」 かなではそう呟くと、羅刹の刀身を鞘へと仕舞う。 チャキッ、という独特の音が鳴ったのと同時に、みつねの手にしていたチェーンソーがバラバラに砕け散った。 「おぉ~」 いつも見ているが、やはり凄い。 隼人は感嘆な声を上げる。 「あ…あぁ…!!」 みつねは真っ青な顔で座り込む。 「どうした、鷺条?」 隼人が声をかける。 「お…お爺ちゃんのチェーンソーが…」 「なぬっ!?お爺ちゃんのチェーンソー!?」 なんでみつねのお爺ちゃんが、と目を丸くするかなで。 「仕事道具黙って持ち出したのに…」 「仕事道具って、鷺条の爺ちゃんってまさか木こり?」 「そんなとこ…」 みつねは祖父の魂ともいえるチェーンソーを勝手に持ち出していた。 それをかなでがバラバラにしてしまった。 因みにみつねの祖父は超が数えきれないくらいつく程の厳格な性格。 勝手に持ち出した時点でのお叱りは覚悟していたが、壊してしまったとなれば殺されるかもしれない。 「あ…その…。すまぬ、みつね殿…」 事情を知り、かなでも落ち込んでしまう。 しかし、隼人は違った。 「そんなの鷺条の自業自得だ。行くぞ、かなで」 冷たくそう言うと、さっさと学校に向かってしまう。 「ま、待ってくれ、隼人殿!!みつね殿、チェーンソーは拙者の家から後日弁償するからな!!では、教室で会おう!!」 かなではそうみつねに言うと、そそくさと隼人の後を追った。 そしてみつねは。 「漸く見つけたぞ、馬鹿孫が…」 「お爺ちゃん!?」 「儂のチェーンソーを…!?なんでバラバラなんじゃぁぁぁっ!?」 「ごめんなさ~い!!」 こっぴどく祖父からの雷を喰らっていた…
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