相談

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相談

自宅近くの駅に着くと、あの男がいるんじゃないかという恐怖で足がすくんだ キョロキョロ周りを気にしながら自転車に乗ると、猛スピードでアパートまで帰った 次の日、会社で隙をみて店長に言った 「すいません。話があるんですが。」 「うん。何?」 「ここではちょっと・・・」 「ん?ここじゃいけないの?じゃぁ上いこうか」 休憩室に着いてイスに腰掛けると私は一気に喋った 紹介してくれるからと客と外で会ったこと 客の部屋にまで入り、そしてされたこと 泊まってしまったこと 防犯カメラのことを詳しく聞いてきたこと 店長は頭をかかえて聞いていた まさか私がそんな浅はかなことをするとは考えもしなかったのだろう 会社を辞めさせてくださいと最後に告げた すると店長は意外なことを口にした 「お前は本当に辞めたいのか?今回のことがなかったら続けたいんじゃないのか?」 「はい」 「じゃぁ転勤したらどうだ。東京から離れて違う店で働くんだ。アパート代は今まで通り会社からでるし、引っ越しの費用も全額負担されるから。」 魅力的な話だった 彼と離れ離れになるのは辛いが、かつて海外遠距離恋愛をしたこともあり、遠距離には自信があった 国内なら新幹線ですぐだ 飛行機もあるし なんてったって あの男に会わずにすむ 今まで頑張ってきた会社を辞めずにすむにこしたことはない この当時、店長になることを密かに目指していた 私は転勤する決意をした
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