引っ越し

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転勤先は愛知県 アパート探しをしに行くことになったが、店長から1日で見つけてこいと言われた 朝早く出発し、新幹線を降り、電車に乗った 普段乗り物酔いしないのに、気分が悪くなり、その場にしゃがみこんだ 近くにいた女性がシートを譲ってくれた ほんの一駅だったけど幸せな気持ちになった 新しい店へ挨拶に行き、不動産屋さんを訪ね、アパート探し 忙しいから部屋まで行って見なくてもいいという私に、不動産屋さんはどうしてもアパートまで行って見てから決めてくれと言ってきかなかった 押しに弱い私は、やむなくアパートを見に行った 私の希望は一つだった 店から一番近いアパート 連れて行かれる途中、交通の便がどうだ、周りの環境がどうだ言われても私にはまるで興味がなかった 「で、ここは店から一番近いですか?」「いえいえ もっと近いアパートはあるんですが」 「じゃぁ そっちに連れて行ってください」 「いやいや せっかく来たんだから中へ入ってみてください」 強引に中へ連れていかれてもサッと目を通しただけで次の物件へと移動した 2つ目でも同じ 3つ目でやっと店から一番近いアパートに連れて行ってもらえた 店から近いアパートとこだわったのには理由がある 古い店だったから仕事が終わって帰るのは終電がなくなってからだろうと思ったからだ 古い店は新店と比べて仕事が多い 仕事が終わって帰れるのは終電がなくなってからだと聞いていた だから自転車で通えるアパートというのが絶対条件だった 不動産屋さんへ戻り、契約をして鍵の説明を受けた 簡単なことなのにナカナカ理解できない ゆっくり何度も説明してもらってやっと理解できた おかしいな・・・と思ったが、たいして気にしなかった 新しい店へ再び挨拶へ行くと、そこの店長がこう言った 「え?日帰り?!アパート探しは3日休みがもらえるんだよ」 その言葉に驚いたが「店長から今日中に帰ってくるように言われたので」と言って愛知県の店をあとにした 帰りの新幹線で弁当を買い、食べようとしてもほしくない お腹は空いてるハズなのに食べたくない いつご飯を食べてるのか、食べていないのか、時間の感覚もない もったいないが、ほとんど手をつけず捨ててしまった 大急ぎで東京の店へ戻ると夜の9時過ぎだった 店長は待っていてくれた 愛知名物のお土産を見て 「おっ! これもらっていいの?」嬉しそうに言った後、少し考えて
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