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なりふり構わず
次の日店へ行くと同僚が大騒ぎ
「早く鍵あけて!遅刻になっちゃう!!」
「え?店長は?」
「あれ?知らないの?お義母さんが亡くなったから葬式で秋田へ帰ったんだよ」
ショックだった
昨日の晩、いつも怒ってばかりの店長と久しぶりにうまく話ができたと思ったのに、もう二度と会うこともないまま転勤だ…
感傷に浸る暇もないまま忙しい業務が待っていた
普段の営業の仕事プラス督促(電話で取り立て)、転勤の手続き
転勤するにあたって、たくさんの書類があった
まだ働きだして1年にも満たない私は書き方がまるでわからない
代理の店長にも「書いた経験がない」と言われ、一人でするしかなかった
本当に目のまわる忙しさだった
昼ご飯も10分で戻り、慌ただしく働いた
母が遠く離れた実家から来てくれ、店に顔を出した
私はアパートの住所を伝え、鍵を渡し、引っ越しの準備をお願いした
トイレへ行き、ふと鏡を見ると化粧もとれた私の顔
こんな顔でお客様と接してたのかと愕然とした
忙しい業務の中、同じブロック内の店に電話をかけ店長に転勤の挨拶をした
飲み会でいつもかわいがってくれていた店長は、もう用はないという感じでそっけなかった
それとは対照的に飲み会に出席したことのない顔も知らない店長が優しい言葉をかけてくれたりで、本当に人ってわからないなぁって思った
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