親を捨てる

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親を捨てる

引っ越しの手続きも終わり、月曜日から新店という金曜日 母をアパートへ残し、彼のもとへ向かおうとした 普段の私なら、わざわざ引っ越しの手伝いをしにきてくれた母を一人置いていくなんて考えられないが、その時の私は人のことを考える余裕なんてなかった もう神経失調症になりかけていたんだと思う ずっと彼の話ばかり聞かされていた母は激怒した 「そんなに男がいいんなら親を捨てていけ!!」 「わかった」 私たちは駅で別れた 一生の別れをし、親よりも彼を選んだ 外国人だからと交際を認めないわからずやな親なんかいらない、そう思った でも、本心では親を大事に思ってたので、心にポッカリ穴があいたような気分だった
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