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病気になったきっかけ
いつも通り営業電話をしていたある日
一人の男がこう言った
「あんたが店の外で俺と会ってくれるならローン組んでくれるヤツ紹介してやるよ」
毎日 営業の電話をたくさんの人にかけてもローン組んでやるなんて言ってくれる人はそういない
ただ借りてもらえばいいわけでもない
店で借りてくれた人に何度も電話をかけ、誰か借りてくれる人を紹介してもらうのだ
私のノルマは1ヶ月に12人だった
借りてくれる人がいても、その人がブラックリストにのっていたりするとダメ
友達に
「俺、金借りてんだけどお前も借りてみない? 紹介するよ」
なんて言う人はまずいない
だからこの営業はかなり大変だった
さらに1人でも目標に達しないと店長からヤクザのように怒鳴られる
月末だけならまだしも、2~3日紹介がとれないだけで、ひどく怒鳴られる
逃げ出したくなるほどのストレスだった
毎日毎日同じ人に
「紹介してくれる方 誰かいないですか?」と電話をかけるのも苦痛だった
新店だった為、顧客も少なかったのだ
外で客に会うのは危ないってことはわかっていた
しかし月末で一人でも紹介を取りたかった
店長に怒鳴られるのは本当に恐かった
私は男と週末の夜会う約束をした
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