1.16年後の平穏

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「それじゃあ私は帰るわね。旦那さんもそろそろお仕事から帰ってくる頃だし」 「ありがとうですのり」  のりは玄関で靴を履きながら話しかける。 「ねえ翠星石ちゃん」 「なんです?」 「ジュン君、がんばってるわよね」 「そうですね」 「でも、ちょっと無理してるんじゃないかなって思うのよ。このままじゃ、身体と精神が壊れてしまうんじゃないかってくらい、ジュン君はあの作業に没頭しているわ」 「確かにそうですね」 「だから、翠星石ちゃんがジュン君を助けてあげて。家事だけじゃなく、精神的な部分でもね」 「わかってるです。任せるですよのり」 「ふふ。頼もしいわ。それじゃあね」 「おやすみなさいですぅ」  のりは自宅へと帰っていった。 「さてと、お片付けですぅ」  翠星石はダイニングに戻ると食器を流し台まで運ぶ。 「さーて、キレイにするですよー」  そして皿洗いを始めた。
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