4.16年前の平穏

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「とっもえー。いっちごー。こんにちはーなのー」  鏡台から雛苺が姿を現す。 「いらっしゃい雛苺」 「あー! ヒナお姉ちゃーん」  巴の娘、苺が雛苺に駆け寄る。 「今日は何して遊ぶのー?」 「うーとね、巴も入れてかくれんぼするのー」 「私も?」  巴が自分を指差して言う。 「あったり前なのよー。みんなで遊べば楽しいのー」 「ママもやろーよー」 「ふふ。わかったわ。じゃあ私が鬼をやるから、10秒数えるうちに隠れてね」 「よーし、隠れるのー」 「ヒナお姉ちゃんまってー」  雛苺と苺は部屋から飛び出していく。 「雛苺、いつになく上機嫌ね。お姉ちゃんって呼ばれるのが嬉しいのかしら」  プルルルル。携帯が鳴る。 「電話? 桜田君から……。もしもし」  電話に出る。 「うん。今夜? ええ大丈夫よ。苺も連れて行ってもいい? 本当? じゃあ18時にあなたの家に行けばいいのね? うん、それじゃあ」
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