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翌日。ジュンは朝7時に起床。それに合わせて翠星石も目を覚ます。
ジュンはシャワーを浴び、翠星石は朝食を作り始める。ジュンが風呂場から出てきたと同時に朝食が完成。
「ほら、ご飯できたですよ。はやく席につくです」
「ああ」
トーストにオムレツ、サラダがテーブルの上に並ぶ。ジュンはそれをあっという間に平らげる。
「ごちそうさま」
しかしジュンは席から離れない。いつもならすぐに地下へ行くはずだが今朝は違った。
「あれ、どーしたです」
「何が?」
「だって、いつもなら食べ終わってすぐに地下に行っちゃうじゃないですか」
「だってお前、まだ食べ終わってないだろ? お前が食べ終わるまで僕は席を立たないよ」
「ジュン……」
翠星石は昨日の夜のことを思い出す。のりはジュンに向けてメモ帳にメッセージを書いていた。恐らく、昨日の夕飯のことだろうと翠星石は考えた。
のりがジュンに渡したメモにはこう書いてあった。
ジュン君、もっと周りを見ようよ。1人でご飯食べるのってすっごく寂しいんだよ。
そのメモの効果もあり、ジュンに変化が現れた。
「ほら、早くたべろよ。僕も忙しいんだ」
「い、いわれなくても分かってるですよっ」
生意気な口をきくものの、翠星石の表情は誰がどう見ても嬉しそうだった。
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