エピローグ

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「どうしたのジュン」  そのドールは、少女のような外見とは裏腹に、落ち着き払った淑女のように、喋った。 「あら、また薬を飲んでいないのね。あれほど飲みなさいといったのに」  ドールはテーブルの上にある手のつけられていない薬と水をみて、その老人を叱る。 「真紅、僕はもう先が短くない。飲む必要などないさ」  ジュンと呼ばれた老人は、まるで自分の死期がわかっているかのように言う。
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