エピローグ

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「これを見てくれ」  中身を取り出す。ジュンの手には光り輝く結晶。ローザミスティカだ。 「これは、ローザミスティカ……」  真紅は息を呑む。 「そしてこれも見てくれ」  また袋の中に手をいれ、もう1つの結晶を取り出す。さきほどのものよりは輝きが弱い。 「こっちは、僕達を助けた時に使った器だけのローザミスティカだね?」 「鋭いじゃないか蒼星石。その通りだ」 「でも、どうして今更そんなものを」  蒼星石は尋ねる。 「これは、扉の向こうにいるであろう第7ドール用のものだ」 「っ!?」  第7ドールという単語に全員が驚く。特に翠星石、水銀燈、金糸雀は他のドールよりも過剰な反応を示す。 「翠星石、水銀燈、金糸雀。お前達ならわかるだろう。雪華綺晶だ」  雪華綺晶。ずっと昔、真紅達がいなくなった後の平穏を守るために、ジュン達が戦ったドール。 「僕は、ずっと考えていたんだ。彼女だけ蘇らせないのは不公平ではないのか」 「あいつはっ、みんなの平穏をぶちこわそうとしたんですよ! 不公平もなにも――」 「彼女も、アリスゲームをしただけなんだよ」
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