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「久しぶりね。最後に会ったのはあなた達が海外へ渡る直前だから、7年ぶりかしら」
「そうですね。しかし……しばらく見ない間にまた一段と美人になりましたね」
「ふふ。ありがとう。これでも今年でもう三十路なんだけどね」
「全然見えないですぅ。ジュンとは大違いです。ジュンったら見た目はもう完全におっさんですよ。髭もボーボーですし。あ、ジュンに用があるんですよね?」
「ええ。呼んでもらってもいいかしら?」
「合点了解ですぅ。ジュンー」
翠星石は地下への階段に向かうと、大きな声で叫ぶ。
「なんだー?」
「サプライズなお客さんが来てるですよー」
「サプライズ? まあいいや、今行く」
階段に明かりが点く。そしてジュンが地下から姿を現す。
「ほら、早く来るですぅ。お客さんを待たせるもんじゃないですよ」
翠星石にせかされて、ジュンは早足で階段を上り、玄関の方に顔を向けた。
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