1.16年後の平穏

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「……まじで?」  ジュンは驚きでしまりのない間抜けな表情をしている。それだけ、今の発言は予想外だったのだろう。 「ジュンジュン知らなかったのー? って、7年間海外に行って音信不通になってたんだから当たり前かあ」 「誰と? いつ頃?」 「大学の頃から付き合っていた彼と24の時にね」 「あー、あの人か」  ジュンはその相手と面識があるようだ。 「それにね、子供も1人いるの。女の子よ」 「それはおめでたい。なんて名前なんだ?」  ジュンが聞くと、巴とみつは顔を合わせて、笑う。 「あの子のように、強くて優しくて、誰かを思いやれる子になって欲しいって願いを込めて、苺って名づけたわ」 「どうジュンジュン。素敵な名前でしょー」  みつがまるで自分の子供のように言う。 「ああ……本当にいい名前だ。きっとその子はいい子に育つよ」  ジュンも顔をほころばせる。
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