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草笛みつの話をしよう。
彼女はジュンと巴がまだ大学生だった時、遠くの地方の会社へと飛ばされた。もちろん金糸雀も一緒だった。その会社は、前務めていたところと同系列の会社で、みつはそこでも夢のために努力を続けていた。
そして、努力も報われるようになり、会社でも結果を残すようになる。そして、同僚と独立し、この町に店を建てることになり、今に至る。
「本当に? 本当に自分の店?」
ジュンは信じられないかのように聞く。
「はははー……本当は会社の同僚と2人でやります……」
「そうか。でもすごいじゃないか。おめでとう。目標だったんだろ?」
「うん。10年以上かかったけどやっとここまでこれたの。これからも頑張らなきゃ」
みつの目はいつになく真剣なものだった。
「うん。応援してるよ」
「ありがとう。その内ジュンジュンにも色々手伝ってもらうわよー」
「ああ。全てが終わったら、僕も協力する」
「うん、頼もしいわ。これで私の大事な用事兼近況報告終わり。あ、それと私はもう今日からまたこの町で暮らし始めたから。場所は前住んでた所とおなじ場所ね」
「そうか。金糸雀も一緒なら翠星石も喜ぶな」
ジュンは窓から外で遊んでいる翠星石と金糸雀を見る。翠星石は久々の再開でとても楽しそうな顔をしていた。
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