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「あのー……めぐさん?」
「どうしました草笛さん」
「あなたってもしかして、『私の黒い天使様』書いた人?」
「そうですよ。あら、私も思ったより有名みたい」
「ほ、ほ、ほんとにーっ?」
みつは目を輝かせながらめぐの手を取る。
「私天使様シリーズ読んでますよー。面白いです。特に天使の銀ちゃんが可愛くて可愛くて何回萌え死にしそうになったか……」
「ふふ。そう言ってもらえると嬉しいです」
『私の黒い天使様』とはめぐのデビュー作である。デビュー作から大ヒットがおこり、今では天使様シリーズとして10冊以上が刊行されている。めぐが今回ジュンに渡したのもそのシリーズのひとつだ。
「まさか、こんなところで会えるなんてー」
みつは目を輝かせながら喋り続ける。
「サインください♪」
「いいですよ。今日はまだ余分に何冊かあるので、それにサインして差し上げます」
めぐはさらにバッグから本を2冊とペンをとりだし、慣れた手つきでサインを書く。
「お2人ともどうぞ」
それをみつと巴に手渡す。
「キャーやったー」
「ありがとうございます」
「みっちゃん、人の家で騒ぎすぎ」
ジュンが呆れたように言う。
「ごめんなさい……」
しゅんとするみつ。それを見て巴をめぐは笑う。
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