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どれくらい落下し続けただろうか。周りは真っ暗。落ち続けるだけだ。
「なんか落下の感覚が気持ち悪くなってきたな」
落下し続ける。とうとう下から光のようなものが見えてくる。
「もうすぐか」
大きくなる光。落下。ジュンは着地しようと身構えるも、途中で落下は止まり、その場に浮く。
「ここは……nのフィールドか?」
周りを見渡す。グレーに染まった空間。前方に扉が見える。
「行ってみるか」
飛ぶように前へ進む。そこには立派な装飾の扉があった。ジュンはその扉を見つめる。
「なんだ……この感覚」
ジュンの中で何かと繋がるような感覚。それは、水銀燈が動かなくなる間際に感じたのと同じような感覚だ。
「でも、契約はもう解けたはずだ」
ジュンは自らの指を見る。指輪は1つだけ。翠星石との契約の証だ。
「じゃあ何でこの感覚が……。まさか」
ジュンの脳内で生まれる1つの仮定。
「この扉の向こうに、あいつらが……?」
できすぎではないか、とジュンは考えるが、それよりも早くみんなを取り戻したいという気持ちがそんな疑惑を打ち消す。
「行けばわかる!」
ジュンは扉に手をかける。
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