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町の外れには一軒の小さな家が建っている。人が1、2人住むのが限界ではないかと思えるような小さな家だ。そこに桜田ジュンは住んでいる。
家の中はとても簡素で、テーブル、食器、寝具、冷蔵庫、電子レンジなどの必要最低限な家具だけが置いてある。TVなどの娯楽要素のあるものは皆無。唯一パソコンだけが寝具の横に置いてある。
その家の中を忙しく動き回っている人、否、人形がいる。キッチンとテーブルと冷蔵庫の間を行ったりきたりしている。どうやら料理を作っているようだ。
小さな身体ながら、台などを使って一生懸命に働いている。出来た料理を更に盛り付け、テーブルへと運ぶ。必要な人数分の箸などを置く。
「ふぅ。完成ですぅ。さっそくジュンを呼ばなきゃですぅ」
緑を基調とした服装に、独特の口調。薔薇乙女第3ドール翠星石だ。
翠星石はテーブルに料理を運び終えると、トイレの横にある、扉を開ける。そこには地下へと繋がる階段があった。階段の向こうは真っ暗で何も見えない。
「ジュンー。ご飯できたですよー」
地下へと向かって呼びかける。
すると、「わかった。今行く」と下から返事が聞こえた。それと同時に階段に電気が点く。そして、桜田ジュンが階段を上ってきた。
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