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ピンポーン。と呼び鈴が鳴る。と同時に玄関の扉が開く。
「こんばんはー。お姉ちゃんだよーぅ」
ハイテンションで家の中へと上がりこむ女性。桜田のりだ。
「こんばんはですぅ。よく来るですね」
「そりゃあ2人が心配なんだもの。自然と足がこっちに向かっていっちゃうわ」
のりは、ジュンがこの家に住むようになってから、週に最低でも3回、最高で7回この家を訪ねにくる。
「あら、翠星石ちゃん。1人でお夕飯? ジュン君は?」
「ジュンならもう食べ終わって、下で例の続きをやっているですぅ」
「翠星石ちゃんがまだ食べているのに行っちゃったの?」
「そうです。でも、しょうがないですよ。あれはとても大事なことなんですから」
「確かに今ジュン君のやっていることはとても大事なことね。でも、いなくなった人を大事にするのもいいけど、ずっと傍にいてくれた人も大事にしなきゃって私は思うのよ」
「でも、いいんです。ジュンにはあの続きに集中してくれればそれでいいです。翠星石だって、早く蒼星石に会いたいですから」
「……」
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