1.16年後の平穏

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 のりは翠星石を見つめる。 「どうしたです? 翠星石の顔になんかついてるですか?」 「ううん。翠星石ちゃんがいいなら私はこれ以上なにも言わないわ。あ、紙とペン貸してもらってもいいかなあ?」 「? いいですよ」  翠星石はメモ帳とボールペンをのりに渡す。 「これでいいですか?」 「ええ。ありがとう」  のりはメモ帳に何かを走り書きする。そして持ってきた袋の中にそのメモ帳を入れた。 「じゃあこれをジュン君に渡してくれるかな。あ、袋の中身はいつも通りお着替えね」 「メモ帳には何書いたですか?」 「秘密よ。翠星石ちゃんは見ちゃ駄目よ」  のりは人差し指を唇に当て、にこりと笑った。
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