雨の日に

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店員さんの進めで。私は店内にあるベンチに腰掛ける。 すると店員さんはコップを私に渡した。 中身は、ホットのコーヒーだ。 私はお礼を言って、一口飲んだ。 インスタントではないのだろう。なんだか本格的な味がした。 まぁ、適当だが 「それで、今日はあの子の後をつけて来た、と」 私は今日のことを店員さんに話した。 今日『彼』に違和感があったこと それが気になって尾行をしたこと。 店員さんは終始にこやかに聞いていた。 「それで、『彼』はよく来るんですか?」 「うぅんそうね、月に一回か二回くらいかね。でも一週間に三回も来たこともあれば、何ヶ月もこない時もある。今回は割りと早かったわね、前に来たのは確か先月だったかしら。」 ようするに、『彼』がここに来るサイクルは決まっていないらしい。 ますます謎が深まった。 「そういえば、『彼』は一体何の花を?」 そう訊くと、店員さんは店から一本の花を取ってきた。
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