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スズメが弁当を忘れてきた。
学校の昼食は弁当制で、勿論学食もあるのだが、スズメは制服のポケットに入っている財布を取り出し、中を見る。
だが、一瞬だけ見た後、スズメは財布を閉じる。中身は氷河期だった。
このままでは、彼女は昼食をとらないまま午後の授業を耐えなければならない。
そんな事はあっては成らない。断じてあってはならない。
何か手はないのか?と思い周囲を見渡す。
すると、目に入ったのはアキラが弁当を広げている姿だった。
いつもは英二と一緒に食べているが、何故か今日は見当たらない。
アキラがスズメの視線に気付いた。
視線が交差する。それと同時に財布をあさる姉の姿を見て、瞬時に彼女の状況を理解する。
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