弁当争奪戦

2/8

4431人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ
スズメが弁当を忘れてきた。 学校の昼食は弁当制で、勿論学食もあるのだが、スズメは制服のポケットに入っている財布を取り出し、中を見る。 だが、一瞬だけ見た後、スズメは財布を閉じる。中身は氷河期だった。 このままでは、彼女は昼食をとらないまま午後の授業を耐えなければならない。 そんな事はあっては成らない。断じてあってはならない。 何か手はないのか?と思い周囲を見渡す。 すると、目に入ったのはアキラが弁当を広げている姿だった。 いつもは英二と一緒に食べているが、何故か今日は見当たらない。 アキラがスズメの視線に気付いた。 視線が交差する。それと同時に財布をあさる姉の姿を見て、瞬時に彼女の状況を理解する。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4431人が本棚に入れています
本棚に追加